患者を支える、意志のある看護師さん

 子供の頃、私は病気がちで、ちょっと無理をすると体調が悪くなり、その度に母に連れられて病院に行った。そこで思い出に残っているのはお医者さんでも、注射が怖かったことでもなく、優しい看護師さんたちの姿だ。待ち時間が長くてふてくされた顔をしていたら、にっこり笑って話しかけてくれたり。検査で思わしくない結果が出て泣きそうになっていると、背中をさすってなぐさめてくれたり。私はそんな看護師さんの姿に憧れた。
 結局私は看護師の職に就いたわけではなかったが、彼女たちの姿に憧れを抱いていたのは付き添いで連れられていた妹も同じだった。その気持ちをずっと持ち続けて看護師になった。忙しくも充実した毎日を過ごしているそうだ。
 学生の頃、塾講師のアルバイトをしていた時、看護師志望の高校生が毎年いた。すでに、大学を出ても就職が厳しいと言われていた時代。手に職を、ということで親や学校の先生に勧められることが多いらしい。
 とはいえ、単に就職しやすそうだから、で看護師になっても、そこに込める想いがなければ激務に耐えられないし信頼もされないだろう。
 大学と専門学校の受験前にその生徒たちが面接の練習をしていて、一人の生徒がその母親の入院した時のエピソードを語ってくれた。母親にだけでなく、不安がっている彼女にも、看護師さんは励ましの言葉をかけてくれたそうだ。あんな風になりたい、と彼女は語った。
 憧れ、だけでなく強い意志。もし自分がまた病気になることがあったら、それをしっかり持った看護師さんにお世話してもらいたい、そう思った。